非実在青少年のわらい声

2010/02/28

「東京都 顔や声が18歳以上に見えない二次元キャラを『非実在青少年』と定義して規制する」痛いニュース

番外その22:東京都青少年保護条例改正案全文の転載

二 年齢又は服装、所持品、学年、背景その他の人の年齢を想起させる事項の表示又は音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるもの(以下「非実在青少年」という。)を相手方とする又は非実在青少年による性交類似行為に係る非実在青少年の姿態を資格により認識することができる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写することにより、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し、青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの

資格視覚の間違いじゃないだろうか?
認識するのは誰? また基準は?
性的対象として肯定的に描写すること、というのは未成年とやるのは気持ちいい、というのはダメだということか?青少年の性に関する健全な判断能力、とはそもそもどのようなことをいうのか? 求められる判断能力の具体的な達成目標、たとえばセックスするときはコンドームをつけましょう、というのはあるのか?
やっているときりが無いので、個人的に重要と思う疑問だけを書いたが、このほかにもつっこみどころ満載の文章であり、法律や条令というよりもむしろ文学に近い、と揶揄するのはむろん現都知事への当てこすりである。
文学にとっても迷惑なことだろうが、日本語が事故による複雑骨折と組織癒着によって化け物のようになってしまうことは、そちらの方に多くみうけられると愚考するところなのだが?
さて、
初めて「非実在青少年」という言葉を見て、関連する条文を熟読していたとき、ちょっとしたゲシュタルト崩壊を起こしたことを告白しておきたい。
前例を踏襲し、法廷で破綻しない程度の論理構成を大前提とするはずの官僚の想像力が、非実在青少年なる言葉を生み出したことは、分裂病的な心の状態が日常を突破するためのひとつの方法である、ということの証拠となりそうだ。
なので条文案を作った人は、たぶん消化しきれない有給休暇をたくさんもっているはずだから、いまの季節ならば暖かい沖縄の離島あたりで休んだ方がいい。
またこの条例を作成した事務局の責任者は、大至急関係者のメンタルヘルスチェックをおこなうことを勧める。部下から精神を病んだすえの自殺が出たら、あなたの責任だ。
最後に、
エロのような曖昧なものを、法律として定義しようとするから、このようにさんざん罵倒されることになるのだ。
ひとつひとつの事例=判例、を積み上げながら、社会的な合意を形成していく、というアプローチが日本の法体系では不可能、ということはまったくないのだから、なにもやっきになって自分だけで責任を背負い込もうとするのは止めたほうがいい。
官僚や政治家はもう少し国民を信頼してもいいと思うし、そうすべきだ。

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