エロマンガのルールについてのメモ

2007/09/19

エロマンガを描く人がこれ以上捕まらない為にも、明示されたルールが必要だと再三いってきた。が、皆忙しいのでこの手の話はあまり盛り上がらない。なので野暮は承知でひとつ案をつくってみたい。 基本としては現状維持が良いと思っているのだが“現状”自体がルール化(=言語化)するにはえらく混沌としていて途方に暮れている。しかし、なにごとも話し合う為にはまず“叩き台”が必要なので、なんとか叩けるくらいの硬さを持った案をつくりたいものだ。叩き台の硬度を決定するのは、ひとえに現状と理念の配合比率に関わる問題であり、理学というよりはむしろ工学的なものだ。
さらに理念という材料には、道徳・表現の自由・商売・風紀・刑法・欲望・解剖学など様々なものが配合されていて、それらがなるべく同量かつ均等に混ざっているのが良いと思うのだが、それぞれに相反する要素が含まれていたりしてなかなかに上手くゆかない。それらにどやって折り合いをつけていくかが腕の見せ所だ。
私はカントのいうところの道徳律を信仰しているがそれはあくまで私個人の行動の範囲にのみ及ぶものであり、二人以上の人間が関わる現実的な問題については折衷主義以上に優れた解決方法は無いと考えている。
さて、少々言い訳が長くなったが、まずは完成という頂きにたどり着くための攻略ルートについて考えたい。
基本はこれまでに“わいせつ”を主題とした裁判で出された判決、つまり判例としてみたい。往々にして裁判所の出す判決というのは非難の的とされることが多いが、私見としては時代情勢を踏まえた妥当なものがほとんどだといって差し支え無い。この問題でぱっと思いつく判例は松文館裁判、チャタレー裁判に加えて宴のあと裁判くらいだが、最後のものはプライバシーに関わるものでわりと理解しやすい。
あと、“わいせつ”というものを取り締まる根拠となる法律・条例とその成立に至る時代背景と議論の経過を知ることが大切になってくるのだが、官僚主義の弊害の最たるものの一つである、関係文書や議事録の公開を阻もうとする本能によっていらいらさせられることが非常に多い。
邪推するに、役所の担当者が集めた“有識者”なるものの会合の中身があまりにも粗雑かつ投げやりで、事務方の作った案をろくろく読みもせずに了承しているという実態がばれるのを恐れているからだろう。そもそも議事録と題されたものの中身がその体をなしているかどうか多いに興味を引かれるところだ。 また脱線してしまったが、ここら辺の情報を整理してゆくことから、まずは始めたいと思う。あまり期間が長くなると意味をなさなくなるので、できれば年内をめどに叩き台となる案が作れたら良いと思う。

追記
年内に、と書いたが2007年中にはまとまらなかった。そしてこの頃は、統一的なルールを作ることは不可能と考えるにいたった。
個別の作品ごとに判断を積み上げて、このくらいならばいいだろう、という経験則的な判断以外はたぶんあっても無意味だろう。
昨日のエロは今日の滑稽、そして明日には廃れている。
かほどに世の中の移り変わりは激しいものだ。

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